入会林野研究
Online ISSN : 2434-3927
Print ISSN : 2186-036X
最新号
選択された号の論文の6件中1~6を表示しています
  • 鈴木 春彦
    2023 年 43 巻 p. 3-18
    発行日: 2023/03/28
    公開日: 2023/05/08
    ジャーナル オープンアクセス
    市町村森林行政について議論するため、アンケート調査による面的把握と複数の自治体を事例に施策分析をおこなった。2018年度の市町村アンケート調査から、多くの市町村では林務体制は小規模で、専門性を持たない職員が担っている実態が確認された。近年の地方分権化に対しては消極的な意見が多かったが、独自計画の策定や常設の委員会の設置の動きが広がっているなど、一部自治体において変化の兆しが見られた。また、2010年代に独自施策を展開する5自治体6施策を事例に施策のプロセス分析を行った結果、施策形成タイプとして、施策の内容検討を委員会で行う委員会型、自治体の実務職員が施策を具体化する実務職員型、民間企業に検討を委ねる民間活用型の3つに区分できた。主体の協力関係が最も良好に発揮されるように3つのタイプが形成されており、また、キーパーソンはそれぞれの強みを活かして施策に貢献していた。これらにより、国から独立した形での市町村の主体的取り組みが、2010年代にはより多様な地域課題に対応し、施策の質と実効性を高めながら地理的にも広がって展開される段階に入ってきたことが示唆された。
  • 野村 泰弘
    2023 年 43 巻 p. 41-46
    発行日: 2023/03/28
    公開日: 2023/05/08
    ジャーナル オープンアクセス
  • 入会林野とマレーシアの慣習林の比較から
    内藤 大輔
    2023 年 43 巻 p. 47-50
    発行日: 2023/03/28
    公開日: 2023/05/12
    ジャーナル オープンアクセス
  • 青嶋 敏
    2023 年 43 巻 p. 51-60
    発行日: 2023/03/28
    公開日: 2023/05/08
    ジャーナル オープンアクセス
    本稿は、『中日本入会林野研究会会報』第30号(2010年3月発行)およびその後継誌である『入会林野研究』第31号(2011年3月発行)から第40号(2020年3月発行)までに掲載された論考をその掲載区分である「研究報告」、「基調報告」、「事例報告」、「コメント」および「投稿」ごとに紹介することによって、中日本入会林野研究会の最近約10年間の研究動向を振り返ったものである。連載第二回では掲載区分「投稿」を取り上げてその内容を紹介するとともに、最近約10年間の研究動向の若干の特徴に言及した。
  • 古賀 達也, 赤石 旺之
    2023 年 43 巻 p. 61-83
    発行日: 2023/03/28
    公開日: 2023/05/08
    ジャーナル オープンアクセス
    猟区制度は、国や公共団体、狩猟者団体、農林業団体などが土地上に登記した権利を有する者の同意を得て設定することが出来る、狩猟を管理する区域であり、公有林、財産区、生産森林組合の所有地上に設定されるケースが散見される。本稿では、猟区制度の通史の整理及び生産森林組合の所有地上に設定された日野町猟区の事例調査から、猟区制度の射程を明らかにした。猟区制度の通史を整理したところ、今日の猟区制度は鳥獣保護や鳥獣保護繁殖という理念の下で形成されてきたこと、猟区の増設による鳥獣保護に向けて猟区の設定条件は緩和されてきたが、土地所有権との関係性には変化が見られず、政策的な議論も乏しいことが分かった。また、生産森林組合の所有地上に設定されている滋賀県日野町猟区の事例を調査したところ、入猟の規制によって生産森林組合の所有地における安全確保に寄与しているものの、許可捕獲による被害防除が困難であること、生産森林組合の所有地以外の土地では相続未登記や所有者不明などを理由に猟区が設定できていないことが明らかになった。本稿では、猟区は鳥獣保護を目的として形成されてきた制度であるために、積極的な捕獲を伴う野生動物管理上のメリットがあるかについては実証の余地があること、所有者不明山林や相続未登記などの問題から猟区の設定は今後困難になっていくこと、の2点を指摘した。
  • 松下 幸司, 高橋 卓也, 林 珠乃
    2023 年 43 巻 p. 84-89
    発行日: 2023/03/28
    公開日: 2023/05/08
    ジャーナル オープンアクセス
    都道府県が地域森林計画の樹立に関連して作成している森林簿について、入会林野の取扱い方法の現状と課題を検討した。滋賀県の森林簿の場合、県が作成した所有区分コードに「入会」という区分がみられた。但し、該当する小班は1件であった。個人、会社などの名義区分と、入会という実態区分とが一つの所有形態区分に混在していることが原因ではないかと考えられる。また、所有形態区分のなかに、所有区分と保有区分とが混在していることも分かった。森林簿で入会林野を区分するためには、所有区分コードを利用するのではなく、2000年世界農林業センサスまで採用されていた名義区分・実態区分(慣行共有か否か)に準じた新しい区分を設定する必要がある。
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