抄録
林業用に開発された自走式小型植穴掘機の作業能率及び作業可能傾斜度,振動,騒音特性,作業者の生理的負担,機械の安全性,操作性等について試験したところ,次のようなことが判った。
この機械は緩斜地での植穴掘り作業に適しており,急斜地での作業は横転などの危険性が高く不適当である。植付け作業の能率は傾斜によって異るが,今回は最大1人当り75本/時であった。
穴掘り作業時の騒音レベルは低く(75.2 dB)振動レベルは 140.5 dB であり,防振グリップを付けた場合は 20 dB 減衰した。
作業時の労働負担は急斜地で大きく,緩斜地では小さく,既存の穴掘機であるオーガよりも小さかった。
前腕の筋電図から,この機械の作業では,穴掘り時より掘り終って機械を移動させる時に,より大きい筋張力を要することが判った。
ハンドルの形状,固定棒の位置等を改良すれば緩斜地での植付に有効と思われる。