2006 年 5 巻 p. 11-23
本研究の目的は,実在する森林を対象とし,想定した施業計画の実施効果を予測するモデルの開発である.本研究では,森林を多数の林分から成るものとして捉え,フローとストックの分析が可能なシステム・ダイナミックス手法を用いて,森林(林分群)資源予測モデルを作成した.このモデルでは,林分密度管理図を応用して,森林のストック要素を林齢単位で整理し,森林の経年変化を表現した.この手法により,施業計画を立木密度の遷移で表現することができた.今回は,愛媛県旧久万町の現存スギ人工林を対象とし,100年伐期を想定した予測を行った.