本論文は, 風害予測力学モデルGALESを使用し, スギ (Cryptomeria japonica (L.f.) D.Don) とヒノキ (Chamaecyparis obtuse (Sieb. Et Zucc.) Endl.) 林分についての長期間にわたる変化に対し風害発生を引き起こす限界風速の推定を目的とした. その結果, 植栽本数が少ない場合の方が, 多い場合よりも限界風速が高い, すなわち耐風性が高かった. 樹高が高くなるほど, 成立本数毎の耐風性に差が見られることから, その差が開き始める樹高を限界樹高とすると, スギは約12m, ヒノキは約14mだった. よって, この限界樹高に到達する以前に間伐を行うことは, 耐風性の向上に関係すると考えられる.