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第一約束期間における京都議定書3条3項林の炭素吸収量の試算
広嶋 卓也
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2007 年 6 巻 p. 129-140

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抄録

本論では, 2008~2012年の第一約束期間における京都議定書 3 条 3 項林の炭素吸収量を国レベルで予測した. 新規植林・再植林(AR)の面積は, 他の土地利用から森林への転入面積から, 森林減少(D)の面積は, 森林から他の土地利用への転出面積からそれぞれ推定した. そして過去のAR・D林面積の推移の傾向を将来に延長するため, 前者にべき乗関数を, 後者に対数関数をそれぞれあてはめて経年推移を外挿した. さらに2008年当初および2013年当初の累積AR林面積の齢級配置, 2008~2012年の合計D林面積の齢級配置を求め, これらに幹材積, 拡大係数, 容積密度, 炭素含有率を乗じて炭素蓄積量を求めた. 第一約束期間の 3 条3 項林の炭素吸収量は, 蓄積変化法により, (2013年当初累積AR林の炭素蓄積量)-(2008年当初累積AR林の炭素蓄積量)-(2008~2012年合計D林の炭素蓄積量) としてて求められ, 計算の結果, 約381万t-C (=約76万t-C/年)の排出と予測された.

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