日本薬理学雑誌
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新薬紹介総説
COX-2阻害薬メロキシカム(モービック)の薬理作用と臨床効果
荻野 桂子斎藤 和重大杉 武佐藤 壽
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2002 年 120 巻 6 号 p. 391-397

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抄録
メロキシカム(モービック)はシクロオキシゲナーゼ(COX)-2を選択的に阻害するオキシカム系の非ステロイド性抗炎症薬(NSAID)である.ヒトの慢性関節リウマチに類似しているラットのアジュバント関節炎に対して強力な抗炎症作用および骨·軟骨破壊抑制作用を示し,ラットのイースト誘発痛覚過敏に対しても持続の長い鎮痛効果を示す.一方,NSAIDの主たる副作用である胃粘膜障害は,従来のNSAIDに比べ,発現が少なく,治療係数が大きい.また,臨床用量では,血小板凝集抑制作用を示さず,出血時間の延長も認められない.臨床試験においては,総括すると従来のNSAIDと有効性は同等で安全性は高いとの成績を示し,「慢性関節リウマチ,変形性関節症,腰痛症,肩関節周囲炎,頸肩腕症候群」に対する効能·効果が認められた.通常,成人にはメロキシカムとして10 mgを1日1回食後に経口投与する.
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© 2002 公益社団法人 日本薬理学会
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