2023 年 158 巻 6 号 p. 444-447
2023年2月1日現在,日本医学教育評価機構は,70医学部における医学教育プログラムを評価し国際基準に適合していると認定している.また医学教育の質保証を改良しさらに発展させるために,この認証評価を継続的に受審することが求められる.多くの医学部が1巡目の受審を完了したが,アウトカム基盤型教育に基づく統合カリキュラムへの改変については共通して残された課題の一つである.大阪公立大学では,アウトカム基盤型教育の根幹であるコンピテンシーの達成度を適切に評価するためのマイルストーンの策定を含め,教育プログラムの見直しを進めている.また,設定される卒業時のアウトカムに向かった統合型教育の推進とアクティブラーニングの実践を推進するプログラムへの改定を継続的に進めている.本稿では,大阪公立大学が推進するアウトカム基盤型教育システムに基づき,薬理学教育における水平垂直統合的理解のための工夫と試みについて現状について紹介する.