抄録
余は第2編に於て各種波長可覗光線照射血清は過敏症を抑制し, その抑制作用は可視光線照射に依り血清の化學的組成に於ては變化を來さざるも, 生物學的に血清の抗原性が消失或は減弱する爲ならんと推論せり。紫外線の過敏症に及ぼす影響に就てはDoerr u.Moldovan1) 氏等は豫め抗原を紫外線照射する時は過敏原と1しての作用を消失することを報ぜり.Kallos, Kallos-Deffner2) , 木村3) , 北村, 村山4) 氏等も紫外線照射血清の過敏症抑制作用を認めて居る.然るに鎌尾5) 氏は紫外線照射血清は照射線量の如何に拘らす過敏原としての作用を失ふことなしと報ぜり。以上の如く成績の斑々たるはその觀察方法の相異に依り見解に相異あるものゝ如きも未だ定説を見るに至らず.一方感作動物に紫外線を照射してその過敏症に及ぼす影響に就てはSantangello6) 氏は抑制せられると報じ, 西7) , 園田8) 氏等は抑制作用なしと報ぜり.以上諸家の業績を檢討するに紫外線照射に依る影響を試験動物の生死Schock症状或は最小致死再注射量等に依り検索せるもの多く, 或は感作, 再注射に使用せる血清の濃度等に於て遺憾の點多し.茲に於て余は第2編の實験に於て試みたると同じくSchultz-Daleの術式に做ひ, 腸管反鷹を標準として抑制作用の強弱は再注入血清の濃度に依り, 紫外線照射血清, 紫外線感作海〓生體照射の過敏症に及ぼす影響を検索せんとす.