抄録
カルシウム拮抗薬NC-1100の作用について検討した.本薬剤の各種脳虚血およびアノキシアモデルに対する最小有効量はKCN誘発アノキシアでは8mg/kg(i.p.)および30mg/kg(p.o.),断頭虚血モデルでは16mg/kg(i.p.),常圧低酸素試験では16mg/kg(i.p.),減圧低酸素試験では32mg/kg(i.p.),スナネズミ一過性脳虚血モデルでは30mg/kg(i.p.)およびスライス切片を用いたin vitro虚血モデルでは10μMであった.さらに,断頭虚血モデルにおいてNC-1100は脳エネルギー代謝改善作用を示した.以上のことから,NC-1100は脳障害保護作用を有しており,その作用の一部には脳エネルギー代謝改善作用が関与していることが示唆された.