日本薬理学雑誌
Online ISSN : 1347-8397
Print ISSN : 0015-5691
ISSN-L : 0015-5691
カルシウム拮抗薬NC-1100の齧歯類における実験的脳虚血およびアノキシアに対する効果
松村 敏弘古市 浩康泉 順吉鎌塚 由弥子武井 峰男中田 直樹伊藤 茂須田 浩守木崎 久仁枝栗本 忠
著者情報
ジャーナル フリー

1993 年 101 巻 3 号 p. 177-186

詳細
抄録
カルシウム拮抗薬NC-1100の作用について検討した.本薬剤の各種脳虚血およびアノキシアモデルに対する最小有効量はKCN誘発アノキシアでは8mg/kg(i.p.)および30mg/kg(p.o.),断頭虚血モデルでは16mg/kg(i.p.),常圧低酸素試験では16mg/kg(i.p.),減圧低酸素試験では32mg/kg(i.p.),スナネズミ一過性脳虚血モデルでは30mg/kg(i.p.)およびスライス切片を用いたin vitro虚血モデルでは10μMであった.さらに,断頭虚血モデルにおいてNC-1100は脳エネルギー代謝改善作用を示した.以上のことから,NC-1100は脳障害保護作用を有しており,その作用の一部には脳エネルギー代謝改善作用が関与していることが示唆された.
著者関連情報
© 社団法人 日本薬理学会
前の記事 次の記事
feedback
Top