抄録
鏡視下腱板修復術後6ヶ月での主患者立脚型肩関節評価法(Shoulder36 V.1.3)と可動域、筋力、疼痛の客観的実測値との関連性を中断裂145例、大・広範囲断裂114例に分けて検討した。Shoulder36の疼痛、可動域、筋力、健康感、ADLの5つのドメインをそれぞれ従属変数とし、運動時痛、夜間痛、自動挙上角度、下垂外旋角度、結帯動作、40°外転筋力と90°外転筋力を独立変数として重回帰分析を実施した。加えて、得点が低い質問項目も調査した。その結果、各ドメインにおいて運動時痛、夜間痛のいずれかが関与しており、特に可動域、健康感、ADLドメインでは最も影響が大きく、痛みの程度が断裂サイズ問わず生活動作への影響が大きかった。最も得点が低い生活動作は断裂サイズ問わず、「患側を下にして寝る」ことであった。術後6ヶ月で生活動作が困難なく行えるか否かは疼痛が最も関連していることが明らかとなった。