理学療法福岡
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人工股関節全置換術後患者における歩行中の股関節伸展角度と腰痛の関連
山添 貴弘谷口 侑紀緒方 悠太久米 慎一郎大川 孝浩志波 直人
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ジャーナル オープンアクセス

2023 年 36 巻 p. 65-

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抄録
人工股関節全置換術(以下、THA)後は股関節機能が改善する一方で、術前より認めていた腰痛が残存することが報告されている。本研究は、THA後の患者を対象として、歩行中の股関節伸展角度が腰痛に与える影響を検討することを目的として行った。当院で初回THAを施行した変形性股関節症患者22名のうち、術前に腰痛を認めた11名を対象とした。歩行解析は、3次元動作解析装置を使用し、歩行時の腰痛評価はVisual Analog Scale(以下、VAS)を用いて行った。統計学的解析は、Wilcoxonの符号付順位検定により股関節伸展角度、腰痛VASの術前と術後の差の検定を行い、股関節伸展角度と腰痛の関連をSpearmanの順位相関分析により検定を行った。歩行時の股関節伸展角度は、術前と比較して術後6カ月は有意に増加していた(p<0.01)。歩行時の腰痛VASは、術前と比較して術後6カ月では有意に減少していた(p<0.05)。歩行時の股関節伸展角度の変化量と歩行時の腰痛VASの変化量は有意な負の相関を示した(ρ=−0.64、p<0.05)。THA後に歩行時の股関節伸展角度が増大するほど腰痛が改善することが明らかになり、理学療法により股関節伸展運動を改善させることで、腰痛の予防や改善につながる可能性があることが示唆された。
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© 2023 福岡県理学療法士会

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