抄録
人間は直前の記憶や印象等による“先入観”に影響を受ける。推論の入力データに“先入観”を考慮し、前の入力値が現在の入力に影響を与える“先入観ファジィ推論”が提案されている。しかし、“先入観”が推論結果に与える影響はあまり大きくなかった。そこでここでは、推論の出力結果データに“先入観”を考慮し、以前の推論結果を基に現在の推論の出力を調整する、より人間的な逐次的推論方法を提案する。まず、入力画像から観測し求めた特徴値を入力として、ファジィ推論を行う。次に、前回の入力に対応する推論結果の「先入観の値」等を判断材料として、別の推論により先の推論結果を調整する。そして、調整した推論結果と「現在までの推移」等を基に“先入観”を更新し、次の入力に対応する推論へと反映させていく。この人間的な逐次的推論方法を車の動画像に適応した車名判別の実験により、本推論方法の有効性を確かめた。