抄録
従来から,運動能力があるにもかかわらず意欲がなくなり,積極的にリハビリテーションを行わなくなる,という問題が指摘されている。一方,ロボットをリハビリテーションにおけるエンタテインメント的ツールとして活用するロボット・アシステッド・リハビリテーション(RAR : Robot Assisted Rehabilitation)が提案されている。本稿では,歩行リハビリテーションを支援するRAR指向ロボットを提案・試作し,試行した結果から問題点の洗い出しをする。指向ロボットの目的は,使用者がレクリエーション感覚でロボットを利用することで,自然に,自発的にリハビリテーションを行うように心理的に支援することである。試作したロボットは左右独立に動作する駆動モータ,コントローラ,プッシュスイッチからなり,平面上を移動可能であり,最高移動速度は54cm/sである。2005年秋,くも膜下出血例の歩行リハビリテーションで試行したところ,10mの歩行速度が平均42秒から平均33秒に向上した。