主催: 日本知能情報ファジィ学会
インターネットの普及に伴い、スパムメールは大きな社会的問題となっている。対策として、いくつかのメールフィルタリング技術があるが、近年注目されているのがベイジアンフィルタである。ベイジアンフィルタを用いることで、過去に受信したメールを学習させることにより高精度の判定が可能である。しかし、ベイジアンフィルタによるスパム確率とメール数の分布は、極端なバスタブカーブになる特徴を持つ。そのため、非スパムと判定されたスパムメールが、明らかに非スパムと判定されたメールと同等の判定評価をつけられている。そこで本論文では、ベイジアンフィルタの改良として、単語のスパム確率の平均をとる代わりに、メールの判定先としてグレーゾーンを追加することで、スパムか非スパムか判定しづらいメールを振り分けるようなメールフィルタを提案した。