抄録
時系列データを解析するための多くの手法は、確率過程モデルを用いているが、我々人間は確率モデルを用いて理解しているとは思えない。全体的な傾向と局所的な特徴を言葉で表現することによって理解していると思われる。
本研究では、時系列データの全体的な傾向と局所的な特徴を言葉で表現することを目的とする。まず、時間軸をいくつかのファジィ的な区間に分け、各区間の代表値を基にして、全体的な傾向を言葉で表現する。そして、全体的な傾向を表す言葉から時系列データを生成し、元の時系列データと比べて、ずれが大きい部分を取り出す。これを言葉で表現したものを局所的な特徴と考える。このようにして得られた言葉による全体的な傾向と局所的な特徴を組み合わせて時系列全体を表現する。