本稿では,インターネットを通した効果的なピアサポートを実現するために,e-ピアサポートシステムを提案する.インターネットを利用した文字ベースのカウンセリングを行うことにより,対面カウンセリングにおける時間や空間の制約および,人と対面することへの抵抗感を軽減する.しかし,文字ベースのコミュニケーションでは,表情や口調といった非言語情報が欠落する問題がある.そのため,提案システムは,非言語情報の欠落およびピアサポーターの専門知識不足を補うためのコミュニケーション支援機能を持つ.コミュニケーション支援機能は,会話文に基づき,問題や関連する事象をどのように認識しているかを分析する.そして,その結果を動的に可視化する.可視化することにより,専門家でなくても来談者の心理状態を考慮した効果的なカウンセリングが実施できる.本研究では,提案システムのプロトタイプを構築し,実験に基づきその有効性を検証する.