PSO(Particle Swarm Optimization)は比較的実装が容易でありながら,その優れた探索能力から注目され,実問題への応用例も報告されている.また,近年,PSOを用いた多目的最適化についても検討が行われてきている. 多目的PSOでは,群れなす個体の移動方向を与える動作方程式におけるガイドの選択法および,多数の解候補のアーカイブの設計が従来の単一目的のPSOと異なり,この2つの点からいくつかのバリエーションが提案されている. 一方で,explorationとexploitationとのバランスを取るなどの目的でPSOではトポロジーが導入され,個体が参照する情報の範囲を制御することがあるが,多目的PSOではトポロジーはあまり利用されていない. そこで,われわれはトポロジーを考慮したガイド選択法を検討してきている.本報告では,多目的PSOで有用なガイド選択法を提案し,ベンチマーク問題へ適用しその効果を検証した結果を報告する.