抄録
本研究ではラフ集合,粒度(granularity)という観点から知識をどのようにとらえるかを議論する.ラフ集合は曖昧,不確実なデータからの知識発見手法として注目されている.ラフ集合では対象となる概念を下近似,上近似によって近似する.今回は行動型人工知能における競合解消の問題をラフ集合の観点でとらえる事を目的とし,例として自律ロボットのゴミ収集問題を扱う.この自律ロボットはif-thenルールと,if-thenルール間のネットワークを用いることにより競合解消を実現する.行動型人工知能において実行すべき行動を有限の知識から限定するという過程は,実行すべき行動という概念を下近似,上近似で挟み込むことに相当する.そこで,if-thenルール間のネットワークを適用することで実行すべき行動の下近似,上近似がどのように生成されるのかを説明する.また,下近似が得られない場合の可変精度ラフ集合の適用についても考える.