抄録
現在,日本の公的年金制度は賦課方式によって運営されている.しかし,近年の少子高齢化の進行などに起因する財政持続,世代間公平性の問題が指摘されている.上記の問題を改善するため,番匠らによって世代別積立方式に基づく公的年金制度が提案され,マクロなシミュレーションモデルを用い,財政持続の可能性と世代間公平性の問題を解決できることを示している.一方近年,国と地方の役割分担や国の関与のあり方が見直され,平成19年に地方分権改革推進法が施行されるなど,地方分権の動きが活発になっている.本研究では,地域別に各地域の特性に即した世代別積立方式による公的年金制度の運営の可能性とその特性ついてマルチエージェントシミュレーションを用いて検討する.