抄録
音声からの感情認識技術について検討する.
従来からの問題として,異なる感情においても音声特徴量が類似するということがある.
そのため感情分布には重複した領域ができる.
この感情分布が重複した領域では,入力音声の感情を判別することができない.
そこで本稿では,感情分布が重複した領域において感情の判別が可能な感情認識手法を提案する.
対話などにおいて感情が変わると発話表現が変わる.
それに伴って韻律特徴も急変すると仮定できる.
そこで提案手法では特徴量の急激な変化を感情認識に利用することを考える.
実験では,関心→共感,関心→歓喜,関心→疑問,関心→嫌悪の4つの感情遷移を取り扱った.
感情遷移前後での特徴量の差分量をとり,特徴量毎に差分量の頻度分布を作成した.
関心からの遷移先によって,変化する特徴量の種類やその変化量に差異が見られることを確認した.
また分散分析によって特徴量の変化量に有意差があることを確認した.