抄録
20種類の景観画像(ここでは花壇画像を用いた)の嗜好特性を調査した。対比較では効率が悪いため、画像を4枚被験者に提示し最も好ましいと思われるものを1枚選択してもらう「四者択一」で実験を行った。実験はウェブサイト上で行い、得られた結果を用いて、サーストンモデル(個人の嗜好得点が正規分布するモデル)を仮定し、各画像に対する嗜好得点の平均値をMCMC推定した。全ての被験者がいくつかのグループに分かれているものとし、各被験者のグループ配属は尤度に基づいて決定して、各グループの嗜好得点の平均値を推定した。一部の被験者については複数のグループにオーバーラップしていた。さらに、所定の嗜好得点の平均値のセットと各被験者のグループ配属が与えられた時に実験結果がどのようにばらつくか、シミュレーションにより回答を生成したところ、嗜好のグループ特性がよく推定できることが確認できた。