本報告では混合雑音により劣化したカラー画像の雑音除去問題を取り扱う.一般に,カラーの自然画像はRGB成分間において相関が高いために,成分ごとに独立にフィルタ処理を行うよりも,ベクトル信号として処理を行う方が望ましいとされている.提案手法では,まず,ロバストスイッチングベクトルメジアンフィルタに基づいたベクトル$\varepsilon$-フィルタを入力画像に繰り返し適用し,雑音をほぼ完全に取り除いた暫定的な雑音除去結果を得る.その後,入力画像と暫定出力画像との残差を求め,そのRGB成分間の相関情報を利用することで残差画像中の真値成分を抽出し,それを暫定出力画像に加えることで,画質の良好な出力画像を得る.実験を通して,提案手法の有効性を示す.