抄録
近年,脳からの情報を基にコンピュータや機械の制御を行うBrain-Computer Interfaces(BCIs)の研究が盛んである.それらの研究において,事象関連電位の一種であるP300を特徴量として文字入力を行うP300 spellerが知られている.P300 spellerでは,画面上に配置された36文字のうち,ユーザが注視する文字が点灯した際のP300 を用いて文字判別を行うが,S/Nが悪いため,一般に複数試行データの加算平均が用いられる.一方,事後確率を再送基準として誤り制御を行うReliability-based ARQ(RB-ARQ)が提案され,判別正答率改善に対する判別時間の増加が少ないことが報告されている.RB-ARQをP300 spellerに適用することで,判別時間の短縮が期待される.また,P300 spellerにおいて,データの再送は文字の点灯を意味し,事後確率の低い文字は点灯の必要性が低いと考えられる.そこで本稿では,選択的にデータの再送をするSelective-Repeat ARQ(SR-ARQ)という手法に着目し,事後確率を再送基準として用いたReliability-based SR-ARQ(RB-SR-ARQ)を提案し,RB-ARQとの比較を行う.