抄録
住宅団地の屋外に立って周りを見回したとき,建物などに遮られるまでの見える範囲を可視領域といい,見える空の割合を天空比という。ここでは可視領域と天空比をさす用語として可視度を用いる。可視度はその場所の開放感や圧迫感と関係しており,感覚的な空間の質に関係する重要な指標である。例えば,住棟の大きさや配置の仕方によって外部空間での天空比がことなり,天空比が大きいほど開放感が大きい。また建築の内部については可視領域と天空比が考えられる。つまり建築内部で見渡せる範囲が可視領域であり,窓から見える空の割合が天空比である。例えば,壁,床,開口部の配置によって可視領域や天空比がことなる。本研究ではコンピュータシミュレーションによって,建築空間と住宅団地の配置のモデルを作成し,その可視領域と天空比を算定して,視覚化表示する。