抄録
地方都市の中心市街地活性化はまちづくりの中心的課題である。本研究では、市民と商業店舗を自律的エージェントとする複雑系システムとして人工社会モデルを構成する。このモデルでは、エージェントの複雑な意思決定過程の記述にファジィ推論を適用している。これよりエージェント間の相互作用に基づいた、地方都市の活性化過程を明確に表現することができる。従来の研究より、同様の人工社会を用いて、まちづくり政策に関して、個別政策ではなく複合的政策が有効であることが整理されている。本研究では、特にまちづくりにおける地域性と自律性を検討するため、各エージェントの意思決定を修正した人工社会モデルを構成する。この結果、市民エージェント分布と都市活性化の程度についての関係性を観測する。これらの検討を踏まえて、最終的に知的情報処理を利用した人工社会モデルから、地方都市の自律的まちづくり過程を特定することができる。