抄録
消費者の商品評価に影響を与える情報源としてeクチコミが注目されている.
筆者は,これまでに,
主観ランク表現を含むeクチコミメッセージに着目し,
メッセージのタイプによって,
他の消費者に影響を与える効力に差異があることを説明する仮説モデルを提案した.
本論文では,
提案の仮説モデルに立脚した知的エージェントの実現へ向けて,
(1) オピニオンマイニングの分野での分類を参考に,
主観ランク表現のメッセージモデルを構築し,
(2) モデル化された個々のメッセージの推論量を数値として
導く計算モデルを提案する.
計算された推論量の大きさの比較により,
メッセージの効力の大小を消費者の商品知識の程度別に予測することが可能となる.