抄録
本研究の目的は、オンライン上におけるイラスト描画技術の習熟支援システムを実現することである。その基礎データの取得を目的として、本稿ではスケッチ描画時の視線情報に着目した被験者実験を行った。実験ではイラストと写真をスケッチ課題とし、それらを描画する際のイラスト熟練者と初心者の視線情報を、注視時間や注視領域の観点から比較した。その結果、熟練者、初心者ともにスケッチ対象よりもキャンバス領域への注視時間が長くなり、特にイラストで描かれた人の顔では、熟練者のほうが初心者よりもスケッチ対象を見る時間が短くなる傾向が観察された。