抄録
新生児脳疾患の診断には,長期的に観察可能なMR (magnetic resonance) 画像を用いた脳容積や脳表面積の計測が有効である.これらの測定には脳領域の抽出が必要だが,新生児を対象とした脳領域自動抽出法はまだ確立されていない. 本研究では,ファジィ形状モデルから得られる知識に基づいたファジィ動的輪郭モデルによる脳領域抽出法を提案する.提案法では複数の被験者データからファジィ形状モデルを作成する.ファジィ形状モデルから得られる知識とMR信号値に基づき,動的輪郭モデルが脳領域に属するファジィ所属を求め,これを最大化するように動的輪郭モデルを変形する.実験では,本手法を12名の新生児被験者に適用し,従来法と抽出精度を比較する.