抄録
感性工学の観点から日本の伝統的な文化の一つ句会法(俳句の作り方で、出句、清記、選句、披講、講評の5段階から成る)を利用して、企業の事業創造や新製品開発などでのアイデア創出を効果的に支援する手法を提案しシステム構築を行う。句会法をアイデア創出に適用してシステム構築を行う試みは前例がなく、また、従来からのKJ法などでは被験者がある程度の経験知を有することが前提になるが、本提案では初心者から専門知識を有する者まで多様な被験者集団に対してもうまく機能する。本システムの適用実験として、「海外から東京への観光客を倍増するにはどうしたらよいか」というテーマで、東京観光に関する知識の初心者からベテランまで13名の被験者集団でアイデア創出支援実験を行い、出句段階での50のアイデアが披講段階で5つに絞られ、講評で初心者の提案からベテランの提案までが融合されて一つの最終案にまとめられる事を確認している。さらに、各被験者の作業情報及びアイデアに対する感性品質評価の調査実験で、句会法によるアイデア創出支援システムによるアイデアを発展させる有効性を確認することで、本手法の企業向けの経営企画活動への適用可能性を示唆する。