抄録
ラット培養神経回路網の活動を議論する研究が行われている.多点電極の64電極中の3電極に注目し,発火伝達の結合性と論理性について時間推移との関係を議論している.しかし,3電極のみに注目しており,全電極での培養神経回路網の伝達性を議論したとはいえない.本論文では,培養神経回路網での発火伝達を伝搬,拡散,吸収の3種類の空間的変移から分析し,電極間の結合性と論理性について議論する.具体的には,培養神経回路網の発火パルスを時間窓で集約し,発火の伝達を伝搬,拡散,吸収の複数の空間パターンで表現して,その傾向を分析する.また,電極間の結合の強さをファジィ数の包含度の指標で評価し,電極間の論理性をファジィ結合演算子で同定する.ここでは,本分析法の有用性を培養神経回路網の実験データにより議論する.