日本知能情報ファジィ学会 ファジィ システム シンポジウム 講演論文集
第29回ファジィシステムシンポジウム
セッションID: MD3-2
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クラスタリングによる神経活動パターン・レパートリーの識別
*泉谷 圭祐井上 裕一朗伊東 嗣功妙中 徹平工藤 卓
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抄録
神経回路網と電子回路のインターフェイスには神経活動のデコーディングが必須であるが,神経情報処理は神経回路網のネットワークダイナミクスに埋め込まれている.ラット海馬分散培養系は,神経回路網ダイナミクスを解明するための脳の小規模なモデルとして有効である.本研究では,クラスタリング手法を用いて自発性神経活動の時空間パターンを弁別し,安定性を定量化することを目的とした.クラスタリング手法としてはクラスタ数を指定せずに,与えられたデータの分布から最適なクラスタ数を見積もるX-means法を用いた.また,X-means法が持つ初期値依存問題を軽減するためにkkz法を解析の前処理として行った.ラット海馬を解離分散し,底面に64個の微小平面電極が配置された培養皿(MEDプローブ)上で神経回路網を再構成させた. 64個の電極から計測した細胞外電位から自発性神経活動のスパイクを検出し,特定の幅の時間窓におけるスパイク数を計数してこれを要素とするベクトルを神経活動パターンの特徴ベクトルとした.時間窓の幅は5 msとし,神経活動電位スパイクが1つ含まれるぎりぎりの長さとした活動電位を誘導した直後は不応期と呼ばれる活動電位が発生しない時間が存在するため,単一の神経細胞において活動電位スパイクが発生し始めてから再び活動電位を発生可能になるまでの時間幅は約5 msということになる.そこで,各時間窓で神経活動スパイクは1つあるか全くないかとなるのでスパイクの有無を0-1の要素とし,時間窓ごとに時々刻々と生成される特徴ベクトルに対してクラスタリングを適用した.本手法では要素の重みが等方化したためにクラスが細分化され、30分で1000個のクラスが生成されたが,出現率が1%以上のクラスに限定すれば30分で15個程度のパターン・レパートリーが繰り返し出現していることが明らかとなった.また,解析対象時間の変化による出現クラスタ数の変動から,自発性神経活動のパターン・レパートリーに30秒から40秒の周期が見出された.
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© 2013 日本知能情報ファジィ学会
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