抄録
生態行動学や動物行動学などの動物研究の分野において、動物観察は主な研究手法であるが、実際の動物観察は研究者自身が行っており、膨大な時間と労力を消費する。主な対策法として、動物の行動分析を行うための自動観察装置の導入や、カメラによる録画などの方法がある。しかしながら、カメラなどで録画した動画は研究者自身が分析するため、分析にかかる労力の削減が少ない。本研究では、このような問題に対処するために赤外線レーザーと赤外線カメラによる深度センサーを用いた安価な動物観察自動トラッキングシステムを検討している。深度センサーはカメラから物体との距離を0-255/bitで表現した深度画像を生成でき、物体の輪郭線を抽出しやすい。実際の動物観察環境では動物の体色と近似する色調の背景や、凹凸のある観察空間であり、物体がノイズとして認識されてしまうことが問題となっている。本論文では、小動物の巣箱などの複雑な環境下で、RGB画像と深度画像を併用し、動物の画像と背景画像を分離し個体識別を行う手法を提案する。