抄録
視覚情報と擬似的感覚とを組み合わせて仮想現実 感を創る研究は数多く行われているが,視覚情報のない,聴覚と触覚や力覚からの情報に頼る視覚障がい者に,仮想現実感を持たせることは容易ではない。 視覚障がい者は聴覚からの情報を除くと,触覚や力 覚からの情報に頼るが,その際に良く利用するのが白杖であり,白杖に伝わる触力覚から歩行時の環境や空間の状況を知る。本報告は,触力覚を生成する力覚フィードバックデータグローブを装着して,手指に感じる疑似的な触力覚から仮想現実感を創り出し,視覚障がい者の環境把握や空間認知を支援するという,触知VR技術を開発することを目標としている。もし,このような触知VR補償支援が可能ならば,点字ブロックの設置されていない場所や,転落事故の危険があるホームなどで,白杖を持つ手指に仮想的な誘導ブロックや転落防止柵があるような疑似触力覚を感じさせることにより,彼らの安全を向上させることが期待できる。