抄録
本研究では,新しい決定ルール抽出法を提案する.決定ルール抽出は,決定表と呼ばれるデータからそれに内在する規則を決定ルールとして得ることを目的とする.決定表は条件属性と決定属性によって表現された対象の集合によって構成されている.各対象はその決定属性値によって決定クラスに分類される.決定ルールは,条件属性値に関する制約から決定クラスを推論するif-then型ルールである.従来のルール抽出法は逐次被覆法に基づいている.逐次被覆法では,まず,目標とする決定クラスを定め,決定ルールが被覆すべき正対象と被覆しない負対象に対象集合を分割する.そして,目標ラスを推論する決定ルールを一つずつ生成し,そのルールに被覆された正対象を削除していく.すべての正対象が削除されたら,目標クラスを推論する決定ルール群を出力する.一つの決定ルールを求めるとき,ほとんどのルール抽出アルゴリズムでは,一般/特殊アプローチを用いている.これは,条件部が空のルールからはじめて,負対象を(ほとんど)被覆しなくなるまで条件部に新たな条件を追加していくことでルールを生成する方法である.これに対して,本研究では,特殊/一般アプローチによるルール抽出法を考察する.提案手法では,識別可能性によるクラスタリングに基づくクラスター間類似度やクラスター評価値を用いて,正対象をクラスタリングする.得られたクラスターから,そのクラスターに共通する条件属性値を用いることで,決定ルールの条件部を得ることができる.