日本語の話しことばによる会話においては地域による多種多様な方言が用いられることが多い.一方で,比較的書き言葉に近いと思われる地方議会会議録においても,発言の書き起こしの整文の際に,方言はそのまま残すことがわかっている.一般的な辞書を用いた形態素解析では方言を正しく認識することは困難である.会議録を用いて様々な地方自治体の課題や議論を共有しようとすると,様々な地域の方言を考慮した形態素解析の仕組みが必要である.本稿では地方議会会議録を対象に,発言に含まれる方言とその形態素解析結果について分析を行う.