抄録
近年,ロボットの身体性に注目した,pHRI(physical Human-Robot Interaction)の分野に注目が集まっている.本研究では,聴導犬をモデルにしたロボットであるAcToR(Active Touch Communication Robot)を提案する.聴導犬とは,耳が聞こえにくい,または,全く聞こえない人に対し,その人にとって重要な音が鳴っていることを触れることで伝えるという支援をする犬である.この聴導犬の様に,AcToRは,接触により情報を伝達する.例えば,携帯が着信した際、AcToRがそのことを検知し,ユーザーのもとへ接触しにいき,着信していることを伝えるというようなことである.AcToRはRoombaをベースに作られたロボットであり,Roombaに備わっているセンサーを利用し,接触を検知する.本稿では,AcToRを利用した心理実験により,AcToRが人へ情報を伝達するための有効的な接触方法の検証結果を報告する.