2021 年 77 巻 2 号 p. I_373-I_378
河道の二極化は河道管理にとって様々な影響があり問題視されているが,実河川のデータに基づく比高差と河岸侵食の関連性についての検討は少ない.本論では,二極化の形状指標(比高水深比)を設定し,道内4河川における出水前の砂州形状と河岸侵食との関係を検討した.その結果,比高水深比の増加とともに,河岸侵食幅,河岸侵食発生率は増加する傾向にあった.交互砂州河道では,比高水深比1.0以上になると侵食発生率が急増する傾向が見られた.複列砂州河道では,サンプル数は少ないが,砂州の発達に対して河岸高が低い特徴があり,洪水時に侵食が発生し易いと考えられる.今回の形状指標は河岸侵食リスクを良好に捉えるという特徴がある.