抄録
時系列データとは時間順に並んだ数値データのことで、人間はこのような時系列データを言葉で理解していると思われる。そこで、これまでに時系列データの全体的傾向と局所的特徴を言葉で表現する方法を提案した。また、振動が多い場合、元の時系列データとその三角移動平均との差の時系列データを求め、その極大値(極小値)の全体的傾向から、振動の上側(下側)の概形を表現する方法を提案した。これまでの手法では、大きい振動の上に細かい振動がのっているような複雑な時系列データに対しては、細かい振動の概形しか表現できなかった。本研究ではこのような時系列データに対して、大きな振動の概形を表現する手法を提案する。まず、元の時系列データの極大値(極小値)の中から、人の見た目に影響するものとして、一定の期間内に含まれる極大値(極小値)のうち、傾きが最も大きくなるもの(最も小さくなるもの)を選択し、それらを線形補間して求めたデータを上側(下側)の概形とし、それらの中点を振動の中心とする。そして、その中心の時系列データと元の時系列データとの差の時系列データから大きな振動の概形を表現する。