抄録
本研究では,感性検索システムにおいて,ファジィ推論を用いた感性検索エージェントモデルを提案している.感性検索システムでは,感性検索エージェントがユーザの好みのものを膨大なデータベースから検索する.感性検索エージェントは様々なデータに対するユーザの評価傾向からユーザの嗜好を学習する.本研究では,感性検索エージェントモデルにおいてファジィ推論を適用し,ユーザの嗜好をIf-thenルールで表現し,言語情報によりユーザの嗜好情報を得る.提案手法では,ファジィ推論におけるメンバシップ関数の中心値と尖度を,様々なデータに対するユーザの評価を基に遺伝的アルゴリズムにより最適化する.本研究では,数値シミュレーションにより,ユーザに提示するデータ数及びデータの特徴数について検証している.シミュレーション結果より,提案手法はユーザの評価傾向を学習するという観点より,有効性が示されている.