抄録
目的:若年者の顎関節症患者のうち経過観察が可能であった症例を対象として,骨変化や円板形態などの形態学的変化の有無を明らかにする。
対象と方法:10歳代の顎関節症患者で保存療法後の経過観察のため,1年以上経過してからMR画像検査を行った37症例(74関節)を対象とした。MR画像評価は,関節円板動態と下顎頭骨形態変化とした。
結果:治療前では円板転位なし8関節,側方転位8関節,復位を伴う関節円板前方転位26関節,復位を伴わない関節円板前方転位が32関節であった。治療前に下顎頭骨変化は15関節(20.7%)にみられ,そのうち14関節は復位を伴わない関節円板前方転位例で,erosion 11関節,osteophyte1関節,irregular surface2関節,concavity1関節であった。経過観察時には初診時に認められた骨変化15関節のうち2関節に骨変化の消失を認めたが,新たに15関節に骨変化が生じた。その結果,円板転位なし3関節,側方転位7関節,復位を伴う円板前方転位19関節,復位を伴わない円板前方転位45関節となり,骨変化はerosion12関節,osteophyte4関節,flattening6関節,deformity6関節で28関節(37.8%)となった。
結論:若年の時期に生じる画像変化は比較的短期間に生じる可能性が高く,長期的な経過観察が必要である。