顎関節症の症型分類などについての再検討が求められている現状において,日本顎関節学会の「顎関節症診療に関するガイドライン」がどのような経過で決定されたのかを正確に記録・総括しておくことが,今後予想される改訂のための基礎資料となると考える。
そこで,顎関節研究会における「顎関節症に関する小委員会」(1984.12.15~1986.4.21),任意団体日本顎関節学会の学術委員会のなかに設けられた「病名検討委員会」(1991.1.1~1995.12.31),および「顎関節症診断法検討委員会」(1995.12.15~2001.7.2) の委員会構成,会議資料,会議録,幹事会記録ないし評議員会・理事会議事録を時系列に整理し要約した。最後に「顎関節症診療に関するガイドライン」の成り立ちを,残存する記録から明らかにした。