2001 年 13 巻 1 号 p. 51-57
われわれは, 単一穿刺で上関節腔の洗浄を行う, 上関節腔パンピング洗浄システムを考案し, 臨床応用を行った。
対象は顎関節に痺痛を有するクローズドロック症例のうち, 本法を施行した32例 (32関節) とした。対照として, 上関節腔洗浄療法を行った23例 (23関節) と比較した。
本法の術式は, 連結した三方活栓に, 生理食塩水からのラインと2本のシリンジを装着した装置を用い, 一方のシリンジから生食を注入し, 加圧したまま三方活栓の操作を行い, 他のシリンジから洗浄液を回収した。
効果判定は, 当科の治療成績判定基準に従い5段階に分類し評価した。本法の奏効率は84.4%で, 上関節腔洗浄療法については, 82.6%であった。