2001 年 13 巻 2 号 p. 234-242
近年, 顎関節症に関する情報がマスコミや一般誌などに多く取り上げられるようになり, 本大学病院顎関節センターを受診する患者数の増加傾向が認められる。大学所在地域の中学校生徒の顎関節に対する健診を行い, 顎関節症の発症の原因を推案した。歯科健診時に顎関節部愁訴に対するアンケート調査と顎関節雑音聴診, 最大開口量の測定を行った。その結果, 顎関節部愁訴の自覚がなくても関節雑音聴診が認められる被験者が存在し, 年齢増加に伴う開口量の増加を併せ考えると, 顎関節症は発育に関連することが示唆された。