2001 年 13 巻 2 号 p. 248-257
今回, 顎関節症患者を対象にRAK-591の有効性および安全性について検討する目的で, RAK-591を1回200mg1日2回, 4週間経口投与した。全症例101例のうち有効性評価例数および安全性評価例数はおのおの86, 90例であった。運動時痛改善度の改善率 (「改善」以上の割合) は, 2週後で45.0% (36/80例), 4週後で50.0% (29/58例), 終了時で57.0% (49/86例) であった。運動時痛VASは投与前の平均51.8mmから終了時には平均16.1mmと有意に減少した (p<0.001)。自力無痛最大開口距離の推移は, 投与前平均32.9mmから2週後平均41.4mm, 終了時平均42.6mmと有意に改善した (p<0.001)。一方, 副作用は90例中17例 (18.9%) に認められたが, 重篤なものはなく, 主な副作用は消化器症状であった。いずれも無処置あるいは投与中止などの処置により消失した。
以上の結果より, RAK-591は顎関節症に対して, 良好な臨床効果と高い安全性を示し, 有用な薬剤であると考えられた。