日本顎関節学会雑誌
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間欠的クローズドロック症例におけるjoint effusionと関節痛の関連について
佐久間 琢今井 英樹櫻井 仁亨高 楠旻塚原 宏泰依田 泰宮村 壽一森田 伸小村 健
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2007 年 19 巻 2 号 p. 153-157

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抄録

目的: 間欠的クローズドロック症例におけるjoint effusion (以下JE) の有無と関節痛の関係について検討した。
対象: 2004年4月から2005年12月に当科を受診した間欠的クローズドロック症例49例49関節 (男性9例, 女性40例, 有痛症例25例25関節, 無痛症例24例24関節) を対象とした。比較対照として顎関節症II型症例30例33関節を用いた。
方法: MRIでJEの有無を調査した。JEの程度はLarheimらのgrading systemを用い, 関節痛はvisual analog scale (以下VAS) で評価した。間欠的クローズドロック症例における有痛症例と無痛症例のJE出現率, 間欠的クローズドロック有痛症例と顎関節症II型症例のJE出現率, 全間欠的クローズドロック症例におけるJEと関節痛との関連について検討した。
結果: 間欠的クローズドロック症例では有痛症例で20関節 (80.0%), 無痛症例で21関節 (87.5%) にJEが認められ, 顎関節症II型症例では1関節 (3.0%) であった。間欠的クローズドロック症例における有痛症例と無痛症例のJE出現率に有意差はなく, 間欠的クローズドロック有痛症例と顎関節症II型症例のJE出現率には有意差が認められた。また, 間欠的クローズドロック症例におけるJEの程度と関節痛には有意差は認められなかった。
結論: JEの有無やJEの程度間では, 関節痛強度に差がないことが示唆された。

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