1995 年 90 巻 9 号 p. 327-332
1770k/6 GPaで合成したLiGaSi2O6単斜輝石と,同結晶を1073 K/1気圧および1123 k/1気圧でアニールしたもの,計3種の結晶構造を,単結晶x線データをもとに精密化した。これらはLiAlSi2O6スポジュメンと同型であり,アニール処理が進むと共に平均Ga-O1距離は増加し, Ga-O1-Ga角は減少する。これらの事実は,6配位席を占めるGaに,電子状態の異なる2種類のGaが,存在することを示唆する。また,1770 k/6 GPaで合成したLiGaSi2O6単斜輝石の固体ガリウム-69 NMRスペクトルと,アニール処理したLiGaSi2O6のNMRスペクトルとを比較したところ,6配位席を占めるGaには,電子状態の異なる2種類のGaが,存在することが確かめられた。