1997 年 92 巻 4 号 p. 142-153
Fe-Mn-Mgカンラン石固溶体と2N塩化物水溶液間におけるイオン交換実験を600°C,1 kbarの条件下で行った。実験条件下ではカンラン石は連続固溶体を形成した。実験の結果,陽イオンはMg2+»Fe2+>Mn2+の順にカンラン石固溶体中に取り込まれ易いことが明らかとなった。
カンラン石固溶体の混合に関する熱力学的性質を求めるために塩化物水溶液中の溶存種を考慮に入れて実験結果の熱力学的解析を行った。その結果,ファヤライト—テフロアイト固溶体はわずかに負の混合のギブルエネルギーを示したのに対し,テフロアイト—フォルステライトおよびフォルステライト—ファヤライト固溶体は明らかに正の混合のギブスエネルギーを示した。