岩石鉱物鉱床学会誌
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島根県隠岐島後の両輝石角閃岩
星野 光雄
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1979 年 74 巻 3 号 p. 87-99

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抄録

隠岐島後北東部には広域変成岩が広く(南北9km,東西8km)分布し,顕著なドーム構造を呈する。隠岐変成岩とよばれる広域変成岩は,泥質片麻岩,ミグマタイト質片麻岩,眼球片麻岩,角閃岩,石灰質片麻岩,砂質片麻岩などから構成きれる。
角閃岩は,斜方輝石・単斜輝石・褐色角閃石・斜長石角閃岩(石英をわずかに含む)と褐色角閃石・斜長石角閃岩(単斜輝石と石英をわずかに含む)とに大別きれる。
角閃岩のうち後退変成作用の影響の比較的小さいもの6個をえらび,全岩組成と造岩鉱物の光学的,化学的性質を検討した。
角閃岩と泥質片麻岩の岩石学的性質から,隠岐変成岩類は全域を通じて上部角閃岩相とグラニュライト相との漸移相の物理条件下で生成されたと推定される。また,角閃岩中に斜方輝石が出現する場合には,全岩のSiO2量とFeO/(FeO+MgO)分子比が比較的高いことを明らかにした。

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