2017 年 3 巻 1 号 p. 14-19
愛知県滝高等学校における正規の部活であるビジネス部の事例研究より,地域企業と学校と学生が協働する仕組みと学生への教育効果について考察する.ビジネス部は2014年から活動を開始し,「商品開発」と「ビジネスプラン」をその二本柱とする.学生と地域企業が連携した商品開発により,販売を実現することや,ビジネスプランコンテストの全国大会出場などの具体的成果が生まれた.また,地域企業との連携においては,顧問がコーディネーターとして地域企業と学生の利害調整役を担うことにより,地域企業・学校・学生の3者が相互に恩恵をもたらす仕組みが構築されることを把握できた.学生がビジネス部の活動に参加することにより,多様な人々と仕事をするために必要な基礎的な力である「前に踏み出す力」「考え抜く力」「チームで働く力」に関する能力が向上する教育効果が確認できた.