2016 年 14 巻 p. 150-161
本稿は三代純平(編)『日本語教育学としてのライフストーリー―語りを聞き,書くということ』の書評である。本書は各論者が,それぞれ立場からの言語教育研究観を示し,また各論者の展開するライフストーリー研究から導かれる,日本語教育学におけるライフストーリー研究観を論じるものである。本稿では同じくライフストーリー研究を行う筆者が自身の視点から本書に向き合った後の感想,多様化する日本語教育の状況を踏まえた上で今後のライフストーリー研究への展望,さらなる期待を述べた。